二子網の網起しを見学してきました。 \(^o^)/

 岩手県の漁業生産統計によりますと、定置網漁業は2009年漁獲量全体(139千トン)の32%(45千トン)を占めるという。

さらには、定置網漁業による漁獲対象魚種ではサケが、その8割を占め、定置網漁業は岩手県を代表する漁業と位置づけられている。

実際の操業期間もサケの漁獲期(8~2月、中心は9月下旬~1月)に合わせたものとなっており、おおむね夏場(盆過ぎ)から翌年1月10日頃までとのこと。

久慈地区では22か統有りましたが、東日本大震災で定置網漁業も大きな被害を受けました。
被災時は網などを陸上の倉庫などに保管中で、被害の内容としてはこれらが流失したという。
沿岸海域の漁業に必須の船も被害を受け、震災以降7ヶ月を経過しいまだ復旧の途上にあると聞きます。

そんな中ですが、岩手県普代村にある「二子網」
太田名部市場に連日水揚げをされているので、大謀の熊谷實さんにお願いし、10月24日(月)網起しに乗船させていただきました。

(大謀:定置網を指揮・統括する長(おさ)を指します。)

二子網乗船記

こちらの画像は普代漁協自営定置網の船。

【平成21年度時点での二子網の担当】

大謀:熊谷實  代表者:松頭吉弘
親方:太田進

【二子丸】
船長:照井睦雄
船首係:赤坂敏也
船員:太田晃宣、太田泰宏、松頭吉弘、太田秀雄、大上孝三
船尾係:熊谷修

【マサイカ丸】
船長:太田昌一
船首係:太田孝樹
船員:太田則幸、太田瑞宣、太田進、太田裕喜、松頭弘幸
船尾係:太田多津夫

【共栄丸】
船首係:深渡稔
船員:太田正光
機関長:太田浩二

【二十一二子丸】
船首係:太田則幸
船員:太田進、大上孝三

【十八号二子丸」
熊谷實、太田晃宣

と有りましたが、現在19名で運営しているとお聞きしました。

二子網乗船記

氷を詰め込み出発の準備。

二子網乗船記

港を出発したのが4時30分。
あたりはこの時期、まだ暗い。

波を蹴り進む漁船。
明かりが波間に漂い航跡を残します。

二子網乗船記

定置を仕掛けた場所へ到着。
網の引き上げ準備にとりかかる。
にわかに船上は漁師の動きが活発になる。

しかし、役割分担が出来ているせいか、声も無い。
自分の担当位置で整然と作業が進み、無駄が無い。

二子網乗船記

すこしづつ引き上げが進み、海面では鯖などの動きが見えてくる。

二子網乗船記

着々と巻き上げが続く。

二子網乗船記

次に現れたのが「イカ」
手繰り寄せる網の中を回遊する様に回りだす。
網による掬い作業が始まる。

二子網乗船記

船べりに散乱する「イカ」
良型のイカである。

イカの引き上げが一段落したとき、小ぶりのイカの皮をとり、海水で洗っただけの物を、食べさせていただいた。

「甘くて美味しかった」

二子網乗船記

ローラーを使っての網の巻き上げは終了し。
器具を格納する。

これからが「鮭」の捕獲。

二子網乗船記

船員たちにより網の引き上げが続き、次第に範囲が狭まると、網の中に入った「鮭」が飛び跳ねる。

水しぶきが激しくあがり、あたりを騒然とさせる。

二子網乗船記

大漁に表情も和らぐ瞬間。

積載する船のクレーンは、幾度どなく機敏な動きで定置網から船内の貯蔵庫へ運ぶ。

二子網乗船記

もみ上げが長くのびている船員も。
実はこれ、イカの墨にやられてしまったのです。

イカも防御のために人に向かって海水を吹き付けたり、墨を吐いたりと逃げるために真剣なんです。

二子網乗船記

真近で踊る鮭の魚体。
でっかい~ (*^^)v

二子網乗船記

本船の船底プールに運ばれる鮭たち。
この光景が幾度となく繰り返されます。

今回2箇所を回って網起しが行われました。
邪魔にならないように、あたりが見渡せる場所で見学できました。

二子網乗船記

港に戻る頃はうっすらと明るくなってきています。
船からみた太田名部港の市場。

入船する船が魚を積んでいるのがわかるかのように、ウミネコやカラスが群れている。

二子網乗船記

いざ、水揚げ。
舟べりのイカ、船底の格納された大型の魚を水揚げします。

二子網乗船記

まずは「イカ」を救い上げ、選別用のバットへ。

二子網乗船記

船員たちの目も真剣に、手早く型を選別し容器に移します。

イカは直ちに氷のしかれた発泡スチロール製の容器に整然と並べられる。

こうすることで「黒茶色に光るイカとなる」
鮮度を維持するためには、すばやい動きと無駄のない動作が求められる。

二子網乗船記

次は「鮭」
船底から次々と移される。

二子網乗船記

これも同じに選別用テーブルへ。

二子網乗船記

一瞬で「オス」・「メス」を見分け鮭用のプールへ仕分ける。

手前がメス。
向こう側がオス。

二子網乗船記

満杯となった容器に海水と氷を詰め、市場へと運ぶ。

二子網乗船記

6時少し回った頃の港の様子。
まだ選別作業中でした。

大謀さんから「おおぶりのメス鮭」を1尾お土産にといただきました。
お邪魔させていただき、大変ありがとうございました。

戻ってすぐに捌いて「イクラ」を漬け込み、身は3枚に下ろした後、濃い目の塩水に1晩漬け込んだ後に網干ししました。
本日いただきましたが、イクラも良い具合に味付けでき、身は「もっちり」程よい塩気で美味しくいただくことが出来ました。

感謝です。 m(__)m

10月も後半となりますと、朝4時半は真っ暗。
暗い中での漁師の機敏な動きにカメラがついていかず、ベストショットとは程遠いのですが、網起しの雰囲気を感じていただければと思い、投稿いたしました。

株式会社三陸水産 スタッフ 二子定置網起しレポートでした。